2015.11.13


Paris Attackのその日、私はニースにいた。
ホテルのテレビではサッカーフランス対ドイツの親善試合が放映されていた。
ニースの穏やかな気候にほっとしつつ
でもまだまだ続く旅の中継地点でしかないニースで
特にすることもなく早くテレビを消して就寝した。

早朝目が覚めた。
家族から大量のライン。日本語のニュース。
「フランスでテロ、オランド大統領国境封鎖を指示」
驚いて相方を起こして、テレビをつける。

同じ国内で、大規模なテロ。
私が行きたかったパリ。
旅程の関係で行くことを諦めたパリ。
昨日テレビで見てたサッカーの試合。
私が、そこにいてもおかしくなかった場所。

とりあえず日本語のニュースを見るけど、たいした情報がない。
外務省のWebでようやく国境封鎖がデマだとわかる。
国境封鎖なんてできるわけないと思った。これだけ大量に陸路も空路も海路もあるのに、全てを封鎖なんて不可能だ。
英語でニュースを見ててもそんな情報は一切なかった。

すぐにはどうすることもできないので、ホテルの朝食をとる。
当たり前なのかもしれないけど、スタッフも旅行者も特段変わった様子もなく、淡々と会話している。
何も変わらない。

何か、その時ふと、あぁ普通に旅行を続けようと思った。
私が慌てて怯えて日本に帰ったって、この人達はここにいるじゃないかと。
パリで起こったことは、日本で起こることかもしれないし、今も、シリアで起こってることなんだ。

アヴィニョンでも、アルビでも、普通の生活が続いていた。
普通に生活し、談笑してご飯を食べて、仕事をして、
広場には献花が添えられて、
街には「Pray for Paris」の文字が溢れていた。

こんなに怖くて、悲しい出来事が、
日常でない場所で生活してるなんて恵まれてる。
だけど本当に、日本は恵まれてる第三者なんだろうか。
本当に?
ここの人達が普通の日常を続けることと、
日本人が普通の日常を続けることの
差があまりにもありすぎる気がする。

フランスは今回のテロを戦争だと言っている。
イスラム国(IS)の脅威は国を動かしてる。
彼らは国境を持たないから、フランスやベルギーやらで、フランス人やベルギー人として生活している。そして内部でテロを起こす。大きな軍事力があるわけでないから、恐怖で市民の日常生活を脅かすことが最大の攻撃となる。そしてその攻撃は事実成功してしまってる。
今回のテロを受けてアメリカは移民の受け入れを拒否する方針に決めた。
日本は元々移民は受け入れないと宣言してる。
ドイツは移民受け入れの姿勢を変えない。

この動きが今後どうなるか。
日本は未だに第三者的な位置で傍観してる印象がある。
イスラム国って言い方はよくない、イスラム教徒の印象が悪くなる上にあれは国じゃないってよく聞くし、実際ムスリムの友達もそう嘆いてたからその意見はすごくわかるのだけど。
国境がないだけで国レベルの脅威にはなってるわけで。
日本は変なところで過剰反応して、肝心なことを過小評価してる気がする。
禁止したところで移民は来るだろうし、日本がテロの標的になることはあり得るし、私達の日常が揺ぐ可能性なんて驚く程当たり前に存在する。
そんなことありえない、って言われ続けて、起こった時の我々はきっととても脆いだろうなと思う。